ぽえむ太郎です。
すでに話題になったドキュメンタリー映画
「おいしいコーヒーの真実(英国原題BLACK GOLD)」はご覧になりましたか?「えー見てないんですかあ」とある方からご指摘を受け、さすがにぽえむ太郎も気になりましたので早速DVDで見てみました。。
日本の公式ページ http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/
英国本国の公式ページ http://www.blackgoldmovie.com/
この映画の舞台エチオピアは、いわゆるモカコーヒーの生産地であり、もともとエチオピアの高原に自生していたのがコーヒーの起源とされるている土地。しかし、水不足の土地も多く、ここ30年の間にも大変大きな飢饉に襲われた厳しい土地柄です。そんな中で、まさにコーヒーに囲まれてエチオピアの人々の生活や文化は育ってきました。しかし、国際相場に左右されるため、コーヒーを作るより麻薬の原料になる大麻などの栽培に移らざるをえない貧しい末端の農民たち、それを食い止め、欧米の消費国にも理解を求めようと奔走する地元農協連合のタデッセ氏の奮闘ぶり、、
この中でタデッセ氏は、輸出に至るまでに6つの中間業者が存在することを何とか解消する仕組みを作ろうとしています。「援助に頼らずに貿易で自立したいんです!」自らも貧困層出身であるタデッセは力説します。
消費国では欧米を中心にこうした活動を「フェアトレード運動」と称して、近年は日本でも徐々に広まりつつあります。かつてぽえむ太郎も同様の試みを目指しているペルーやチモールの生産地域に出かけてみたことがありました。
映画の中で一人の少年が叫びます。1kgのチェリー(赤い実の付いた状態)は、数年前の国際相場暴落時台、実に1ブル(日本円で15円程度)、1日必死で働いても収入は60円か70円。。「コーヒーのために僕の家族は苦しんでいるんだ!」
率直にぽえむ太郎もこれは大変おかしなことだと思います。私たちが生豆の代金として支払っている金額のおそらく1割も彼ら生産者の手には届いていないからです。つくりてにまっとうな成果が払われず、人々の苦しみの上に1杯のモカコーヒーがあるならば、こんなに空しい話はありません。一方で、私たちの目の前で、1杯のモカコーヒーに感動されたり、元気づけられたり、そういうお客様はたくさんいらっしゃるのももうひとつの事実。。
実は焙煎もそうです。大手メーカーは100kg単位の大型焙煎機で本当に安い技術料でコーヒーを売ってきます。しかし、確かな腕をもつ職人の技には、まして5kg10kgという小型焙煎機でほんとうに手作りの風味の良いコーヒー作りを努力している人たちには、適正な対価が必要だということが、ずっと置き去りにされたままなのです。

ぽえむでは確かにきちんとしたお代を常日頃、皆様にお願いさせていただいております。
ほんとうに買い支えていただいているお客様に、あらためて感謝を申し上げます。
そして、一杯のコーヒーの出発点から終着点まで、この両者の間で欠落してしまったもの、これを確かなものにつなぎあわせていくことで、BLACK GOLDが皮肉として語られるのではなく、純粋な輝きをもって誇れるものとなるように。それがぽえむが志していくコーヒーの世界。
そう、この映画を見ながら思いました。
今後ともどうぞお引き立てのほどをお願い申しあげます。。